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最近は土壌汚染関係の調査も定型化してきた。 まず古い住宅地図を追いかける。 昭和30年代発行のものまである。 たいてい図書館に行けば閲覧できる。 古い地図だとついおもしろくて他のページなど見てしまう。 それから法務局での閉鎖謄本の調査もやる。 対象地が現在宅地であっても以前は何だったかを調べるのである。 現在、住宅が建っていても以前は土壌汚染の原因となる工場が建っていた場合だってあるからだ。 明治時代に遡って調べるときだってままある。 閉鎖登記簿に載っていなければ、土地台帳といってさらに古い書類を調べる。 どうもこの頃と地租改正時とは重なっているようで、当時は税務署と書類を共有していた伏しがある。 米等の物納から土地評価額を基にした金銭納へ、 時代はまさに明治維新だったのだ。 明治時代の土地台帳の文字はむずかしい。 中には判読できないものまである。 法務局の職員に協力してもらって、判読できたときは実に嬉しい。 金田一先生になった気分だ。 私は元々推理小説が大好き。 謎解きが大好きなのだ。 土壌汚染ではないが、現在立派な住宅が建っている土地でも古い登記簿では墓地だったりすることだってある。 墓地ならまだいい方だ。 地目にちゃんと残っているのだから。 そこで殺人事件があったり、自殺があったりしたって記録には残っていない。 人の噂も99日とはうまくいったものである。 さらに、土地上の建物が水質汚濁防止法に基づく特定施設に指定されていないか調べる。 たいてい指定されていないが、それだけに指定されていた場合はこれまたプロを自認できる瞬間だ。 ただし、土壌汚染というのは目に見えないだけにこうした定型的な調査だけでは済まない場合だってある。 偶然見つかる事だってあるんだ。 某政令指定都市にある某企業独身寮を評価したときのこと。 前述した土壌汚染関係の基礎調査はすべてクリア。 問題ない案件かなと思っていた。 ところが、下水が公共下水かどうか調査するために、市役所下水道課に行ってみたとき、 下水本管が入っていることを示す地図があった。 この地図が古く、現在の独身寮以前の様子が描かれていた。 何やら工場らしい。 再度現地に赴く。 近隣の工場主に聞いてみた。 あああそこには昔板金塗装工場があったよ。 板金塗装工場だから即土壌汚染とも限らないが、どうも怪しい。 そこで念のためその旨の調査結果を鑑定評価書に記載した。 そして少しばかり土壌汚染の可能性ありとして減価した。 鑑定評価は無理は禁物である。 保守性安全性が一番である。 こうして我々不動産鑑定士は日頃調査をしている。 鑑定評価書に書かれる内容もそうだが、書かれない内容だってたくさんある。 我々の努力の結晶、それが鑑定評価書なのだ。 |
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