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日本の名滝100選「笹の滝」である。 以前にも掲載したと思うが、十津川に来てここに来ないのは写真家とはいえないだろう。 毎回来ている。 笹の滝をこの位置から撮影できるとは思っていなかった。 笹の滝はご本尊の滝がなかなか見えない。 しかも滝自体はたいした滝でもない。 笹の滝がすばらしいのはその渓流美。 清流といい岩肌といい申し分ない。 今回は出張帰りだったためかCPLフィルターを忘れてきてしまった。 仕方ないなもったいないなと思っていたときにふと現れたのがこの撮影位置。 本来は滝近くにある大きな岩をくぐりぬけて滝にご対面するのだが、たまたま観光客がこの位置から携帯で写真を撮っていたのだった。 この位置は渓流の中に顔を出す岩場。 水流次第ではこの位置からの撮影はできないかもしれない。 CPLにNDフィルターなしではいい写真が撮れないのではと嘆くより、手持ちのこのニッコール18−200ミリを信じて撮った。 足場が狭い。 急流がごく近くを流れる。 足を流れにさらわれないよう注意しながら、おもむろに三脚を立てる。 愛用のジッツォのカーボン製三脚。 岩場が平坦でないため、三脚を立てるのもなかなかむずかしい。 落ち着いて落ち着いてと自分に言い聞かせて水平を出した。 水平を確認する水準器なんかみない。 もう自分の目だけがたよりだ。 何枚か縦横撮影した。 いつもならNDでもっと暗くしてCPLで光の反射を消して水の流れをより雲のように撮るのだが、今回はそこまではいかなかったものの、いいのが撮れたと思う。 いつもならこの位置からの撮影となる。 滝よりもその下の渓流とむき出しの岩肌がメイン。 これでももちろんいいのだが、今回は滝を正面から撮れる位置があるのを発見できたのが嬉しい。 笹の滝の入り口だ。 ここより手前もすばらしい渓谷美なのだが、道路がさえぎっているせいかここが入り口となっている。 幕末の天誅組を偲ぶ歌が詠まれている。 高取城攻撃に失敗したのが1863年8月26日。 それから五条を経て、十津川に逃げ鷲家谷で壊滅するのが同年9月24日。 ほぼ一ヶ月間十津川の山間部を転々としたことになる。 彼らがここを通ったかどうかは定かではないが、付近は通ったであろう。 戦の傷を癒す間もなく通り過ぎて行ったのであろう。 日本の美と幕末の志士たちの心意気を肌身に感じながら帰路についたのであった。 |
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